はじめに
2025年、時計市場には大きな変化の兆しが見え始めています。海外メディアGQが発表した「2025年の時計トレンド」を要約しつつ、私自身の視点を加えながら、今年の相場を読み解くうえで重要なポイントを整理します。
単なる流行紹介ではなく、ロレックスを中心に「今後の相場にどう影響するのか」を考察していきます。
ゴールドモデルの復権と素材価格の高騰
2025年、最も注目すべきは「ゴールドモデルの復権」です。
背景には金価格の急騰があります。現在、金は1グラム＝2万円に迫る水準まで上昇。数年前の7,000円前後から比べると実に2〜3倍という異常な高騰です。
ロレックスのデイデイトやサブマリーナの金無垢モデルは、素材そのものの価値が支えとなり、資産性の高い時計として再評価されています。今後、定価の強烈な値上げは避けられないため、欲しい方は高価格帯モデルから先に購入するのが賢明と言えます。
カラーダイヤルの人気拡大
続いて注目されるのが、カラーダイヤルの人気です。
ターコイズブルー、グリーン、ピンクといった鮮やかな色が、オイスターパーペチュアルやデイトジャストを中心に支持を集めています。
背景にはSNSの普及があります。映える写真を求める時代において、従来の黒や白のダイヤルでは物足りないと感じる層が増え、時計を「個性を表現する手段」として選ぶ傾向が強まっています。
この流れは一時的なブームではなく、若い世代や女性層の参入を後押しする持続的なトレンドになると私は考えています。
ケースサイズの大型化
三つ目のトレンドは「ケースサイズの大型化」です。
かつては36mmが標準でしたが、今では40mmを超えるスポーツモデルが市場をリードしています。デイトナやGMTマスターIIといったモデルがその代表格です。
背景にはファッションの変化があります。スーツ文化が薄れ、カジュアルな装いが主流となった今、存在感のある時計のほうが全体のバランスを取りやすい。時計がアクセサリー化するなかで、大きなケースサイズが「自分を主張する」ために選ばれるようになっています。
ヴィンテージ市場では36mmの人気も残っていますが、今後は二極化が進むと見ています。
CPO市場の定着と安心感
最後に欠かせないのが、CPO（認定中古）市場の定着です。
ロレックスが2022年に開始したこの制度は、現在では「製造から2年以上のモデル」が対象となり、多くの個体がCPOとして市場に流通しています。
ユーザーにとっての最大のメリットは「中古でも安心して買える」点です。CPOの存在が、新品市場にも安心感を与え、相場の底上げ要因となっています。
さらに欧米ではオンラインでCPOを探して購入するスタイルが広がっており、日本市場でも同じ動きが本格化すれば、正規店マラソン以外の新たな選択肢が生まれることが想定されます。
2025年の時計市場を支えるキーワード
ここまでの流れを整理すると、2025年の時計市場を形作るキーワードは「資産性」と「多様性」です。
- ゴールドモデル → 素材価値に裏付けられた資産性
- カラーダイヤル／大型ケース → 多様化するユーザーの好みに対応
- CPO市場 → 安心して資産として保有できる仕組み
これらが同時に進行している今、時計市場は大きな転換期を迎えていると言えます。
今後の相場展望と購入戦略
私の見立てとしては、ゴールドモデルは今後も確実に値上がりしていくでしょう。カラーダイヤルや大型ケースは若い世代を市場に引き込み、結果的に全体の需要を押し上げると考えています。そしてCPO市場が安定感を与え、ブランド全体の価値を守る役割を果たすでしょう。
欲しいモデルがある方は、値上げや在庫枯渇に備え、タイミングを逃さないことが何より重要です。特にゴールドモデルは「高価格帯から先に購入する」ことをおすすめします。
まとめ
2025年の時計トレンドは、単なるデザインや流行の話ではなく、資産性と多様性が同時に進行する構造的な変化です。
ロレックスを中心に、この流れは確実に相場へ反映されていくはずです。
これから購入を考える方にとっては、情報を先取りして行動することが、満足度や資産価値を大きく左右する時代に突入しています。
