現状のロレックス相場
今週もロレックス買取相場は非常に好調な状況が続いています。主要モデルは依然として高値圏を維持し、下落しているモデルはごくわずか。全体として上昇トレンドをキープしたまま、安定した強さを見せています。
特に人気モデルは依然として需要が高く、買取価格の水準も先月より一段上がった印象です。市場全体に買い手の意欲が戻りつつあり、並行店でも高額提示が続くなど、久しぶりに“強い相場”が戻ってきたといえると思います。
今回の記事では、この好調なロレックス相場の背景にあるもう一つの大きな要因、「日銀の政策金利」と「為替動向」に焦点を当てて解説します。
日銀の政策決定と市場の反応
日銀は先週の金融政策決定会合において、政策金利の据え置きを発表しました。結果自体は市場予想通りでしたが、注目を集めたのはその後の植田総裁の発言です。
「賃金と物価の好循環が定着していくかを見極めながら、適切な政策運営を行っていく。利上げの判断は春闘の結果などを踏まえて検討していく。」
この発言から読み取れるのは、「少なくとも来年春までは利上げの可能性が低い」ということ。市場では“当面は緩和的な金融政策が続く”という見方が広まり、結果として為替市場では円売りが進行。ドル円は一気に154円台へ突入しました。
市場心理としても、「円安トレンドが再び強まる」との見方が優勢となり、為替は再びロレックス相場を押し上げる方向に作用しています。
円安とロレックス相場の関係
では、円安がロレックス相場にどのような影響を及ぼすのかを整理しておきましょう。
ロレックスはスイス本社で生産・輸出されており、価格の基準は海外通貨(スイスフランやドル)にあります。そのため、日本での販売価格や買取価格も為替レートの影響を大きく受けます。
円安になると、海外基準で見たときに「日本のロレックスが割安」に見えます。たとえば同じモデルが海外では1万ドルで販売されている場合、為替が140円から150円に動くだけで、円換算価格が大きく拡大します。その結果、外国人バイヤーや海外業者の買い付けが活発になり、国内在庫が減少。これが相場上昇の引き金となります。
また、円安局面では並行輸入店が仕入れるコストも上昇するため、販売価格が自然と上がります。これに合わせて買取店も買取価格を引き上げざるを得ず、結果的に「相場全体の底上げ」が起こります。
こうした構図は過去にも繰り返し見られた“経験則”であり、今回も同様の動きが続く可能性が高いと考えられます。
今後の展開予測 ― 「上昇相場の地ならし」が始まっている
今回の植田総裁の発言により、少なくとも来春までは金利据え置きが続く可能性が高まりました。これは「円安が継続しやすい環境がしばらく続く」ということを意味します。
さらに、ロレックス相場にはもう一つ強烈な上昇要因が加わっています。それが2026年1月に予定されていると噂される“過去最大規模の定価改定”です。
特にゴールド系モデルでは、素材価格の高騰もあり、値上げ幅が20%を超える可能性があると報じられています。つまり今、ロレックス市場を構成する「為替」「需給」「定価改定」という3要素がすべて上昇方向で一致しているのです。
これは過去を振り返ってもほとんど例がなく、まさに“強烈な上昇相場の地ならし”が整った局面といえます。
さらに季節的な要因として、ボーナス・クリスマス・旧正月といった年末商戦が控えています。これらの時期は需要が集中しやすく、相場をさらに押し上げる傾向があります。
為替・値上げ・需要という“トリプル上昇要因”が重なれば、再び過去最高値を更新する可能性は極めて高いといえるでしょう。
為替介入への警戒 ― 「160円ライン」が転換点に
もちろん、上昇トレンドの中にもリスクは存在します。特に注意すべきは政府による為替介入です。
過去の傾向を見ると、政府は「160円付近」を“行き過ぎた円安”と判断することが多く、この水準を超えると実際に介入が行われるケースがあります。
現時点で為替は153円台。今のペースが続けば、介入ラインに到達するのも時間の問題です。
ベストな売却タイミング ― 158円前後が“勝負どき”
私自身の見解として、「為替が158円前後に達したタイミング」が一つの売却チャンスになると考えています。
介入前の為替水準は市場が最も加熱し、ロレックスの買取価格がピークを迎える傾向があるためです。
つまり、「介入前が高値、介入後が調整」という構図です。
今はまだ上昇相場の初動段階にあり、焦る必要はありませんが、158円に近づいた際には、迷わず動ける準備を整えておくことが重要です。
まとめ ― 上昇フェーズ本番はこれから
・日銀の金利据え置きと植田総裁の発言により、円安基調が継続する可能性が高まっている
・2026年の定価改定観測、素材高騰、年末商戦といった複数の上昇要因が重なっている
・過去に例を見ない強い相場上昇の「本番フェーズ」が近づいている
ただし、為替が160円に達する前後では政府介入が行われる可能性もあり、過信は禁物です。
私は158円台を“過去に例を見ない売り時”として注目しています。
相場が上昇してきたタイミングで売却を検討している方は、ぜひこの動きを意識しておくことをおすすめします。
