親や家族の遺品を整理していたら、引き出しの奥からロレックスが出てきた。
そんなとき、
「かなり古そうだけど価値はある?」
「動かないけれど売れる?」
「箱も保証書も見つからない」
「自分は時計に詳しくないので、本物なのかすら分からない」
「売ってしまっていいのか、形見として残した方がいいのか」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
特に注意してほしいのが、
「古い時計だから大した価値はないだろう」と自己判断して処分してしまうことです。
ロレックスは現行モデルだけでなく、20年前、30年前、さらに古いモデルにも中古市場があります。
デイトナ、GMTマスター、サブマリーナー、エクスプローラーなど、すでに生産終了している旧モデルをあえて探している人もいます。
さらに、古いロレックスではモデルやリファレンスだけでなく、文字盤、ベゼル、ブレスレット、製造年代、状態、付属品などによって評価が変わることがあります。
そのため、
見た目が古い=価値が低い
とは限りません。
そして遺品整理では、時計本体だけでなく、
箱・保証書・余りコマ・タグ・修理明細などを一緒に探すことも非常に重要です。
価値が分からない段階では、ロレックスに関係しそうな物を捨てないでください。
本記事では、遺品整理でロレックスが見つかった場合に最初にやるべきことから、価値の調べ方、売却・保管・相続、箱や保証書がない場合、壊れている場合の対処法まで詳しく解説します。
遺品整理でロレックスを見つけたら「何もしない」が最初の正解
ロレックスが出てきたら、
「汚れているから綺麗にしよう」
「動かないから修理に出そう」
「使わないから売ってしまおう」
と考えるかもしれません。
しかし、時計の価値が分からない段階では、まずそのままの状態を維持することをおすすめします。
特に古いロレックスでは、安易な研磨や部品交換などによって時計の状態を変えてしまうことがあります。
まずやるべきなのは修理でも売却でもありません。
その時計が何なのかを確認することです。
まずロレックスのモデルを確認する
ロレックスには多数のモデルがあります。
代表的なものだけでも、
- コスモグラフ デイトナ
- GMTマスター
- GMTマスターII
- サブマリーナー
- シードゥエラー
- エクスプローラー
- エクスプローラーII
- デイトジャスト
- デイデイト
- エアキング
- ヨットマスター
などがあります。
さらに同じモデルでも、製造された年代によってリファレンスが異なります。
そのため、
「黒いロレックス」
「日付が付いているロレックス」
という情報だけでは、正確な価値を判断できません。
時計に詳しくないのであれば、無理に自分だけで特定する必要はありません。
専門店などで確認してもらう方法があります。
「父親が昔買った値段」は現在価値ではない
遺品整理をしていると、家族から、
「お父さん、これ30万円くらいで買ったって言ってたよ」
「昔ボーナスで買った時計じゃない?」
といった話が出てくるかもしれません。
しかし、昔の購入価格だけで現在価値を判断するのはおすすめできません。
ロレックスはこの10〜20年間だけでも新品定価が大幅に上昇しています。
たとえば約10年前に販売されていた同系統モデルと2026年8月現在のモデルを比較すると、ステンレスのデイトナは約112万円から約250万円、サブマリーナーデイトも約81万円から約168万円という水準になっています。
もちろん、
現行モデルの定価が上昇した=遺品として見つかった旧モデルも同じ割合で値上がりした
という意味ではありません。
しかし、ロレックスを取り巻く価格環境そのものが昔とは大きく変化していることは確かです。
したがって、
「父が30万円で買ったから、30万円以上なら十分」
とは考えない方がいいでしょう。
見るべきなのは、
昔の購入価格ではなく、現在の市場価値です。
遺品整理で特に注意したいロレックス① デイトナ
遺品からコスモグラフ デイトナが出てきた場合は、特に慎重に扱うことをおすすめします。
デイトナには長い歴史があり、多数の旧リファレンスが存在します。
古いデイトナでは、
製造年代
文字盤
ベゼル
ケース
ブレスレット
オリジナルパーツ
付属品
などによって評価が変わる可能性があります。
時計に詳しくない人から見れば、
「かなり古いクロノグラフ」
にしか見えないかもしれません。
しかし中古市場では、旧モデルを指定して探している人もいます。
まずそのままの状態で専門家に見てもらいましょう。
遺品整理で注意したいロレックス② GMTマスター
GMTマスター、GMTマスターIIも確認したいモデルです。
現在のGMTマスターIIとは異なる旧リファレンスが多数存在し、ベゼルなどにも年代ごとの特徴があります。
特に古い個体では、
「ベゼルの色が薄くなっているから交換した方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし自己判断による部品交換は避けた方が無難です。
古い時計では、現状のパーツを含めて評価される可能性があるからです。
まず価値を確認し、その後どうするかを決めましょう。
遺品整理で注意したいロレックス③ サブマリーナー
父親や祖父が昔購入したロレックスとして考えられる代表的なモデルがサブマリーナーです。
長期間日常的に使われてきた個体なら、
傷が多い
ブレスレットに使用感がある
ベゼルが傷んでいる
動作が安定しない
ということもあるでしょう。
しかし、
使用感がある=価値がない
ではありません。
サブマリーナーにも多数の旧リファレンスが存在します。
現行モデルにはないサイズ感やデザインを好む人もいるため、まず何年頃のどのモデルなのかを確認することが重要です。
デイトジャストだから価値が低いとは限らない
スポーツモデル以外も忘れてはいけません。
50代・60代の方が親の遺品整理をする場合、デイトジャストやデイデイトなどが出てくるケースも考えられます。
特にデイトジャストは非常にバリエーションが豊富です。
ステンレスだけでなくコンビ、金無垢などがあり、文字盤、ベゼル、ブレスレットなどの組み合わせも多数あります。
そのため、
「デイトナではないから価値がない」
とは判断できません。
金無垢モデルなどであれば素材価値も無視できません。
時計のモデルと仕様を確認してから判断しましょう。
一番重要|時計の周辺にある物を捨てない
遺品整理の記事で特に伝えたいのがここです。
ロレックス本体だけ残して、周辺にある物を捨てないでください。
実家を整理していると、
古い緑色の箱。
時計が入っていない空箱。
古いカードや紙。
小さな冊子。
ブレスレットから外した金属片。
修理の領収書。
などが出てくることがあります。
時計に興味がなければ、
「ゴミだろう」
と思って処分してしまうかもしれません。
しかし、それらがロレックスの付属品である可能性があります。
特に「保証書」と「余りコマ」は捨てない
ロレックスの付属品として特に確認してほしいのが、
保証書と余りコマです。
保証書が残っていれば、その時計の情報を確認する材料になります。
また、ブレスレットのサイズ調整で外した余りコマも時計と一緒に保管してください。
さらに、
箱
保証書
冊子
タグ
余りコマ
修理明細
サービス関係の書類
などが見つかったら、一式まとめておきましょう。
価値が分からないものほど、査定が終わるまで捨てない。
遺品整理ではこれを基本にしてください。
箱・保証書が見つからなくても諦めない
一方で、
「時計だけしか見つからなかった」
というケースもあるでしょう。
20年、30年以上前に購入した時計なら、引っ越しや片付けの際に箱などを処分してしまっている可能性もあります。
しかし、
箱・保証書がない=ロレックスを売却できない
というわけではありません。
時計本体だけでも査定を受けることはできます。
ただし、付属品の有無が査定額に影響する可能性はあります。
そのため、すぐ売却するのではなく、一度家の中を確認してから査定に出すことをおすすめします。
購入時の領収書も見つかったら保管する
保証書だけでなく、購入時の領収書などが出てきた場合も捨てずに保管しましょう。
購入時期や購入店舗などを確認できる資料になります。
また、相続後に高額な時計を売却する場合、税務上、取得費などが問題になるケースも考えられます。
古い書類だから不要だと判断せず、時計に関連する資料はまとめて保管しておいた方が安心です。
税金について具体的な判断が必要な場合は、税理士や税務署へ確認してください。
動かないロレックスでも捨てない
遺品から出てきた時計で多いのが、
長期間使用されておらず動かない
というケースです。
そこで、
「壊れているから価値はない」
と思うかもしれません。
しかし、ロレックスは故障していても時計そのものに市場価値がある可能性があります。
特に人気モデルや旧リファレンスの場合、動作不良だけを理由に処分するのはおすすめできません。
まずそのままの状態で査定してもらいましょう。
売却するためだけに修理しない
動かない時計を見つけると、
「修理してから売った方が高くなるのでは?」
と考えるかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
たとえば修理に10万円かけて、査定額が5万円しか上昇しなければ、売却だけを目的とした修理としては費用対効果が合いません。
したがって、
現状で査定
↓
現在価値を確認
↓
修理費用を確認
↓
修理するか売却するか判断
という順番がおすすめです。
遺品のロレックスを自分で磨かない
同様に、
「父親が使っていたから傷だらけ。査定前に綺麗にしよう」
と考えるのも注意が必要です。
特に古いロレックスでは、過度な研磨によってケース形状などが変わってしまう可能性があります。
古い時計の場合、単純に新品のように綺麗であればいいとは限りません。
オリジナルの状態がどの程度残っているかなど、さまざまな要素から評価される場合があります。
売却前に自分で研磨するのではなく、
まず現状のまま査定する
ことをおすすめします。
「本物か分からない」場合も捨てない
遺品整理では、
「ロレックスと書いてあるけど、本物なの?」
という時計が出てくる可能性もあります。
故人から購入経緯を聞けない場合は、なおさら分からないでしょう。
この場合も自己判断で処分しないでください。
インターネット上の画像と見比べただけで真贋を正確に判断するのは難しい場合があります。
保証書がなく、購入経緯も分からないのであれば、ロレックスを扱う専門店などで確認してもらう方法があります。
ロレックスが複数出てきた場合は一本ずつ確認する
時計好きだった方の遺品では、ロレックスが何本も出てくることがあります。
その場合、
「全部まとめて○○万円」
という査定だけを見るのではなく、
一本ずつ査定額を確認する
ことをおすすめします。
たとえば、
デイトジャスト
サブマリーナー
GMTマスター
デイトナ
の4本があった場合、それぞれ市場価値が大きく異なる可能性があります。
また、同じモデルでも年代や仕様によって価格は変わります。
複数本をまとめて売却する場合でも、
どの時計がいくらと評価されているのか
を確認しましょう。
遺品整理業者にそのまま時計を売っていい?
遺品整理を業者へ依頼している場合、その場で時計などの買取を提案されるケースもあるでしょう。
便利ではありますが、高額なロレックスについては、一度時計を専門的に扱う買取業者などの査定額と比較することをおすすめします。
重要なのは遺品整理業者が悪いということではありません。
高級時計には専門的な市場があるため、時計の価値を確認してから売却先を決めた方が安心
ということです。
数百万円単位の価値を持つ可能性がある時計なら、なおさらです。
質屋・リサイクルショップですぐ売らない
同じ理由で、
「近所だから」
というだけで最初に見つけた店舗へ売却するのも慎重に考えた方がいいでしょう。
高級時計の査定では、モデル、リファレンス、年代、文字盤、状態などさまざまな要素を確認します。
特に旧モデルでは個体差があります。
まず相場を把握し、そのうえで複数の査定価格を比較した方が、安売りを防ぎやすくなります。
遺品整理で出てきたロレックスは誰のもの?
ここは非常に重要です。
故人の所有物だったロレックスは、原則として相続財産として扱う必要があります。
したがって、
「自分が実家を整理していて見つけたから、自分のもの」
とは限りません。
他にも相続人がいる場合は、勝手に売却するとトラブルになる可能性があります。
特に高額なロレックスの場合、
「時計一本くらい」
と軽く考えない方がいいでしょう。
モデルによっては数百万円以上の市場価値を持つ可能性もあります。
誰が取得するのか決まっていないのであれば、まず他の相続人と確認してください。
必要に応じて弁護士、司法書士、税理士などの専門家への相談も検討しましょう。
ロレックスも相続財産として価値を確認する
相続税についても注意が必要です。
国税庁の財産評価基本通達では、一般動産は原則として1個または1組ごとに評価し、売買実例価額や専門家等の意見価格などを参酌して評価する考え方が示されています。
ロレックスについても、
「昔50万円で購入した時計だから50万円」
と購入価格だけで判断するのではなく、相続時点における価値を考える必要があります。
特に複数の高額時計が出てきた場合には、時計も含めて相続財産全体を確認した方がよいでしょう。
相続税には基礎控除がある
もちろん、
ロレックスが一本出てきた=相続税が必ず発生する
という意味ではありません。
相続税には基礎控除があります。
2026年現在の基礎控除は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
たとえば法定相続人が3人なら、
3,000万円+600万円×3人
となり、
4,800万円
です。
ロレックスだけを見るのではなく、預貯金、不動産、有価証券など、対象となる財産全体を含めて考えます。
税務について判断に迷う場合は、税理士等へ確認してください。
売る・使う・形見として残す|どれが正解?
価値を確認したら、その後どうするかを考えます。
大きく分けると、
売却する
自分で使う
家族が使う
形見として保管する
という選択肢があります。
どれが正解ということではありません。
たとえば父親が何十年も愛用していたサブマリーナーなら、
「自分が引き継いで使いたい」
と思うかもしれません。
一方、家族の誰も時計を使わないのであれば、売却して現金化するのも合理的です。
価値を知ってから家族で話し合う
おすすめしたいのが、
売るか残すか決める前に価値を確認すること
です。
たとえば家族全員が、
「古い時計だから20万円くらいでしょう」
と思っていたとします。
実際に査定してみると200万円だった。
そうなれば判断は変わるかもしれません。
「これだけ価値があるなら売却して相続人で分けよう」
となる場合もあれば、
「これだけ価値がある時計なら父の形見として大切に残そう」
となる場合もあります。
どちらでも構いません。
価値を知らないまま決めないことが重要です。
遺品整理でロレックスが出てきたら、この順番で進める
何をすればいいか分からない方は、次の順番で進めてみてください。
①時計をそのまま保管する
磨いたり修理したりしません。
②時計周辺の物を捨てない
箱、保証書、余りコマ、領収書などを探します。
③モデル・リファレンスを確認する
分からなければ専門店へ相談します。
④現在価値を確認する
購入当時の価格ではなく現在の相場を見ます。
⑤相続人を確認する
勝手に売却しないよう注意します。
⑥複数の査定額を比較する
売却する場合は一店舗だけで決めません。
⑦売る・使う・残すを家族で決める
最後に処分方法を決めます。
この順番なら、
「価値があると知らずに処分してしまった」
という失敗を防ぎやすくなります。
実家の遺品整理では「時計の空箱」も確認する
そして最後にもう一度強調しておきたいのが、時計以外の物です。
実家を丸ごと整理する場合、
時計本体と付属品が別々の場所に保管されている可能性があります。
時計は父親の机。
箱は押し入れ。
保証書は書類ケース。
余りコマは小物入れ。
修理明細は領収書ファイル。
ということも十分考えられます。
時計を見つけたら、その周辺だけでなく、
「ロレックス関連の物が他にもないか」
を一度探してから処分を進めることをおすすめします。
まとめ|遺品のロレックスは「価値が分かるまで何も捨てない」
遺品整理でロレックスが出てきたら、最初に考えるべきことは、
「いくらで売れるか」ではありません。
まず、
何という時計なのか。
そして、
現在どのくらいの価値があるのか。
これを確認してください。
特に、
「20年以上前の時計」
「傷だらけ」
「動かない」
「箱がない」
「保証書がない」
という理由だけで、価値が低いと決めつけるべきではありません。
古いデイトナ、GMTマスター、サブマリーナー、エクスプローラー、デイトジャストなども中古市場で売買されています。
そして遺品整理で特に注意してほしいのが、
時計本体以外を捨ててしまうことです。
箱、保証書、余りコマ、タグ、領収書、修理明細など、ロレックスに関係しそうなものは一度まとめて保管してください。
また、故人が所有していた時計であれば、相続財産としての扱いにも注意が必要です。
他に相続人がいる場合は勝手に売却せず、家族で確認しましょう。
そのうえで、
売る
自分で使う
家族へ譲る
形見として残す
のどれを選ぶか決めればよいと思います。
故人にとっては、何十年も前に購入した一本の腕時計だったかもしれません。
しかし現在、そのロレックスがどの程度の価値を持っているかは、実際に調べてみなければ分かりません。
だからこそ、
価値を知らないまま売らない。
価値を知らないまま捨てない。
遺品整理でロレックスが出てきたら、これだけは覚えておいてください。



















