「父親が使っていたロレックスを相続したけれど、どうすればいい?」
「自分は時計に詳しくないので価値が分からない」
「相続したロレックスを売ったら税金はかかる?」
「使わないので売るべきか、形見として残すべきか迷っている」
親や配偶者などが所有していたロレックスを相続すると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ロレックスは一般的な腕時計とは異なり、モデルによっては中古市場でも高額で取引されています。
特にデイトナ、GMTマスター、サブマリーナーなどの人気モデルや、すでに生産終了している旧リファレンス、ヴィンテージモデルなどでは、所有していた本人や相続した家族が想像している以上の価値を持っている可能性があります。
だからこそ、相続したロレックスについて最初にやるべきことは、
「すぐに売る」ことでも「とりあえず保管する」ことでもありません。
まず、
何というモデルなのか
↓
現在どの程度の価値があるのか
↓
付属品は残っているのか
を確認することが重要です。
そのうえで、
「自分で使う」
「形見として保管する」
「子供に残す」
「売却して現金化する」
などの選択肢を検討すればよいでしょう。
また、高額なロレックスを相続した場合には、相続税や、その後売却した場合の所得税についても確認が必要になるケースがあります。
この記事では、ロレックスを相続した場合に最初に確認したいことから、保管・売却・税金まで詳しく解説します。
※税金については一般的な制度を解説しています。実際の課税関係は個別事情によって異なるため、高額な相続や売却については税理士・税務署等へ確認してください。
ロレックスを相続したら最初にやるべきこと
ロレックスを相続すると、
「使わないから売ってしまおう」
と考える方もいるでしょう。
しかし、急いで売却する必要はありません。
まずは時計について分かる情報を整理しましょう。
確認しておきたいのは、
- モデル名
- リファレンス
- 購入時期
- 保証書
- 箱
- 余りコマ
- オーバーホールなどの修理履歴
- 現在の時計の状態
などです。
特に重要なのがモデルとリファレンスです。
同じ「ロレックス」というブランドでも、モデルによって市場価値は大きく異なります。
さらに同じサブマリーナーやデイトナでも、世代やリファレンスによって中古相場が異なります。
モデルが分からなくても処分しない
親から時計を相続した場合、
「ロレックスなのは分かるけれど、モデルは分からない」
というケースも珍しくありません。
時計好きの本人にとっては当たり前のモデルでも、家族が時計に興味を持っていなければ分からなくて当然です。
だからといって、
「古い時計だから大した価値はないだろう」
と判断してはいけません。
たとえば昔購入したサブマリーナー、GMTマスター、エクスプローラーなどには、現在では生産されていない旧リファレンスが多数存在します。
古いモデルだから価値が低いとは限らず、むしろ現在では新品で入手できないことが評価につながる場合もあります。
モデルが分からない場合は、無理に自分で調べきる必要はありません。
時計の専門店や買取店などで確認してもらう方法があります。
相続したロレックスは「現在価値」を確認する
モデルが分かったら、次に確認したいのが現在価値です。
ここで注意したいのが、
故人が購入した価格を基準にしないことです。
たとえば、
「父は昔50万円くらいで買ったと言っていた」
という時計があったとしても、現在の価値が50万円とは限りません。
ロレックスはこの10〜20年間で定価が大幅に上昇しています。
中古市場についても、旧モデルや廃盤モデルが世界中で売買されています。
そのため、
購入価格と現在価値が大きく異なっている可能性があります。
逆に、「ロレックスだから何でも高騰している」と考えるのも適切ではありません。
モデル、年代、状態、付属品などによって価値は大きく変わります。
だからこそ、相続した段階で一度査定を受けて、現在価値を把握しておくことには意味があります。
相続したロレックスの選択肢は大きく4つ
ロレックスの価値を確認したら、その後どうするかを考えます。
大きく分けると、
①自分で使う
②形見として保管する
③家族に引き継ぐ
④売却する
という4つの選択肢があります。
どれが正解というわけではありません。
時計への思い入れや家族構成、資産状況などによって判断は変わります。
①相続したロレックスを自分で使う
状態に問題がなく、デザインも気に入っているなら、そのまま自分で使うのもよいでしょう。
特に親が長年愛用していた時計であれば、
「父親が使っていた時計を息子が引き継ぐ」
という使い方もロレックスならではの魅力があります。
腕時計は単なる資産ではありません。
長年使われた傷や使用感そのものが、家族にとって思い出になることもあります。
売却価格だけを見て判断する必要はありません。
②形見として保管する
時計を着ける習慣がなくても、形見として保管する選択肢があります。
ただし、
「とりあえず引き出しに入れておく」
という保管方法には注意しましょう。
ロレックスは機械式時計です。
長期間使用しない場合でも、湿気や磁気、極端な温度変化などを避けて保管した方がよいでしょう。
また、時計本体だけでなく、
箱・保証書・余りコマ・修理明細なども一緒に保管
しておくことをおすすめします。
将来、自分や子供が売却することになった場合、付属品が査定に影響する可能性があるからです。
③子供など次の世代へ引き継ぐ
自分では使わなくても、子供や孫に残すという選択肢もあります。
特にロレックスは長期間使用されることの多い時計です。
親から子、子から孫へと引き継いでいくこともできます。
ただし、
「高価な時計だから子供も欲しいはず」
とは限りません。
時計に興味がない場合もあります。
家族間で話ができる状況なら、
「この時計は使いたいか」
「形見として残したいか」
などを確認しておくのもよいでしょう。
④相続したロレックスを売却する
自分も家族も使用する予定がなければ、売却するのも合理的な選択です。
高額なロレックスであれば、使わずに保管し続けるより現金化して、
旅行
住宅
教育資金
老後資金
別の趣味
などに使うという考え方もあります。
ただし、売却する場合に注意したいのが、
相場を知らない状態で最初の買取店に売ってしまうことです。
相続した人自身がロレックスに詳しくない場合、提示された査定額が高いのか安いのか判断できません。
だからこそ売却前にモデルと現在相場を確認し、可能であれば複数の査定額を比較しましょう。
相続したロレックスに相続税はかかる?
ここからは税金について説明します。
結論として、ロレックスも相続財産の一つとして考える必要があります。
相続税の財産評価基本通達では、一般動産は原則として1個または1組ごとに評価し、その価額については売買実例価額や専門家等の意見価格などを参酌して評価するとされています。売買実例等が明らかでない場合には、同種・同規格の新品価格から償却等を考慮する方法が示されています。
つまり、
「父が100万円で買ったロレックスだから相続財産も100万円」
と単純に決まるわけではありません。
購入価格ではなく、相続時点での価値を考える必要があります。
これは相場が大きく動いているロレックスでは特に重要です。
ロレックスだけに相続税がかかるわけではない
ここは誤解しやすいポイントです。
仮に300万円のロレックスを相続したからといって、
その300万円だけを見て直ちに相続税が発生するわけではありません。
相続税はロレックスだけではなく、預貯金、不動産、有価証券など、対象となる相続財産全体を踏まえて計算します。
そして相続税には基礎控除があります。
2026年現在、基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
たとえば法定相続人が3人なら、
3,000万円+600万円×3人
となり、
4,800万円
が基礎控除額になります。
したがって、
「高額なロレックスを相続した=必ず相続税を支払う」
という意味ではありません。
他の財産も含めて判断する必要があります。
高額なロレックスを複数相続した場合は特に注意
1本だけではなく、時計好きだった方からロレックスを複数相続するケースもあるでしょう。
たとえば、
デイトナ
GMTマスター
サブマリーナー
デイデイト
金無垢モデル
などを複数所有していた場合、時計だけでも相当な金額になる可能性があります。
こうしたケースでは、
「腕時計だから大した財産ではない」
と考えず、きちんと価値を確認しておくことが重要です。
特にロレックスは同じモデル名でも仕様によって価格差があります。
一般動産の相続税評価は、原則として売買実例価額や精通者意見価格等を参酌する仕組みなので、高額な時計については専門店等の査定資料を残しておくことも検討できます。
相続税の申告期限にも注意
相続税の申告が必要な場合には期限があります。
原則として、
相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内
です。
相続ではロレックスだけでなく、
不動産
預貯金
株式
保険
その他の財産
なども整理する必要があります。
「時計は後から考えればいい」
としていると、後になって高額な時計の存在が分かることも考えられます。
故人が時計好きだった場合は、早い段階で所有していた時計を確認しておく方がよいでしょう。
相続したロレックスを売ると税金がかかる?
もう一つ気になるのが、
相続したロレックスを売却した場合の税金
です。
ここは「相続税」と「売却によって生じる所得への課税」を分けて考える必要があります。
資産の売却によって利益が生じる場合、譲渡所得の対象となるケースがあります。国税庁は土地・建物や株式以外にも、金地金、宝石、書画、骨とうなどの資産譲渡を譲渡所得の対象として説明しています。
また、生活に通常必要な動産の売却益は原則非課税ですが、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨とう等については例外があります。高額な腕時計について具体的にどのように扱われるかは、時計の性質や所有状況なども踏まえて税務署・税理士へ確認するのが安全です。
特に数百万円、数千万円クラスのロレックスを売却する場合には、
「相続した時計だから売っても税金は一切関係ない」
と自己判断しないようにしましょう。
「売却価格=そのまま利益」ではない
税金を考える際にもう一つ重要なのが、
売却価格そのものが利益ではない
ということです。
一般的な譲渡所得では、
譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
という考え方で所得を計算します。
相続した財産については取得費の扱いにもルールがあります。
そのため、
「500万円で売ったから500万円全部に税金がかかる」
という単純な計算ではありません。
一方で、昔の購入価格が分からない、購入時の資料が残っていない、といったケースも考えられます。
だからこそ、相続した時計については、
保証書だけでなく購入時の領収書や記録が残っていないか
確認しておくことをおすすめします。
税務上の取得費の扱いは個別事情で変わる可能性があるため、実際に高額な売却益が見込まれる場合は専門家へ相談してください。
相続したロレックスをすぐ売らない方がいい理由
税金とは別に、相続したロレックスを慌てて売却しない方がいい理由があります。
最大の理由は、
相続した本人が時計の価値を知らない可能性が高いからです。
時計に詳しい故人であれば、
「このGMTは○○年に購入した」
「この文字盤は珍しい」
などを把握していたかもしれません。
しかし相続した家族が時計に興味を持っていなければ、その情報が失われてしまいます。
そうすると、
「古いロレックスが一本ある」
という程度の認識になってしまいます。
しかし中古市場では、
モデル
リファレンス
年代
文字盤
ベゼル
ブレスレット
状態
オリジナル性
付属品
などによって評価が変わることがあります。
だからこそ、
売る前の価値確認
が非常に重要です。
箱・保証書・余りコマを捨てない
相続した際に意外とやってしまいそうなのが、時計以外のものを処分することです。
たとえば実家を整理していて、
「古い緑色の箱があるけれど要らないだろう」
「昔の保証書らしき紙がある」
「ブレスレットの余った金属片がある」
として捨ててしまうケースです。
これは避けてください。
ロレックスの場合、
箱
保証書
余りコマ
タグ
冊子
修理明細
なども時計と一緒に保管しておきましょう。
特に保証書は重要です。
価値が分からなくても、ロレックスに関係ありそうなものは一度まとめて保管しておくのがおすすめです。
古いロレックスを勝手に磨かない
「父親が使っていた時計だから傷だらけ。売るなら綺麗にした方がいいだろう」
と思うかもしれません。
しかし自己判断で研磨するのはおすすめしません。
特に古いロレックスでは、オリジナルの状態がどの程度残っているかが評価に関係することがあります。
過度な研磨や不用意な部品交換によって、時計本来の状態が変わってしまう可能性もあります。
売却するつもりなら、
修理・研磨する前に、そのまま査定してもらう
方がよいでしょう。
動かないロレックスもそのまま査定する
長期間保管されていた時計では、
「振っても動かない」
「時間が合わない」
「リューズが動かない」
といった状態も考えられます。
この場合も、
壊れている=価値がない
とは限りません。
修理してから売るべきか、そのまま売るべきかは、時計の価値と修理費用を比較して判断します。
売却だけが目的なら、
修理する
↓
査定する
ではなく、
査定する
↓
価値を確認する
↓
必要なら修理を検討する
という順番でもよいでしょう。
相続したロレックスは複数社で査定する
売却を決めた場合は、できれば複数の査定価格を比較することをおすすめします。
特に相続品では、
相続人本人が適正価格を知らない
という問題があります。
たとえば故人が昔50万円で購入した時計について、
「80万円で買い取ります」
と言われれば、
「30万円も高くなっている」
と感じるかもしれません。
しかし現在の適正な買取相場が150万円だったとしたらどうでしょうか。
昔の購入価格と比較して得をしていることと、
現在の相場に対して適正価格で売れていることは別問題です。
だからこそ相続した時計では、複数社の査定額を比較する意味があります。
売るか迷っていても査定していい
査定を受けると、
「売らなければいけないのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、売却を決める前に現在価値を確認するという使い方もできます。
たとえば、
査定額100万円
なら形見として残したい。
一方、
査定額500万円
なら家族で話し合って現金化を検討する。
というように、価値によって判断が変わることもあります。
だからこそ、
売るか決める→査定
ではなく、
査定→価値を知る→売るか決める
という順番でもよいでしょう。
50代・60代なら自分のロレックスについても考えておきたい
そして相続した側だけでなく、自分自身がロレックスを複数所有している50代・60代の方にも考えておいてほしいことがあります。
それは、
「自分の時計を将来どうするか」
です。
自分は、
「これはデイトナ116500LN」
「これは昔買ったGMT」
「この文字盤は珍しい」
と理解していても、家族が同じ知識を持っているとは限りません。
もし何も伝えないまま家族が時計を相続すれば、
「ロレックスが何本かある」
という認識だけになってしまう可能性があります。
そのため、
- モデル名
- リファレンス
- 購入時期
- 保証書の保管場所
- 箱の保管場所
- おおよその現在価値
くらいは家族が分かるように整理しておくと安心です。
「この時計は残してほしい」も伝えておく
資産価値だけではありません。
自分にとって特に思い入れのある時計なら、
「これは売らずに息子に使ってほしい」
など、自分の希望を家族に伝えておくこともできます。
逆に、
「この時計には特別な思い入れはないから、必要なければ売却して構わない」
という時計もあるでしょう。
すべてを同じように扱う必要はありません。
ロレックスを複数所有しているなら、
残したい時計
売ってもいい時計
を整理しておくだけでも、将来家族が判断しやすくなります。
法的な遺産分割や遺言について具体的な希望がある場合には、弁護士・司法書士等の専門家への相談も検討してください。
相続したロレックスを売るか残すかの判断基準
最終的には、次の4点から考えると分かりやすいでしょう。
思い入れ
故人が長年愛用していた時計で、自分にとっても思い出があるなら、無理に売却する必要はありません。
使用するか
今後自分や家族が使うのであれば、引き継いで使う価値があります。
現在価値
高額な市場価値があるなら、資産として売却する選択肢も現実的になります。
家族の意向
自分だけでなく、他の相続人や家族にとって大切な時計である可能性もあります。
金額だけではなく、こうした要素を含めて判断することが重要です。
まとめ|相続したロレックスは「売る前に価値を知る」
ロレックスを相続したら、まず確認したいのは、
その時計が何で、現在いくらなのか
です。
すぐ売却する必要はありません。
まず、
モデル・リファレンスを確認
↓
箱・保証書などを探す
↓
現在価値を調べる
↓
家族で相談する
↓
残す・使う・譲る・売るを判断
という順番で考えてみてください。
そして、高額なロレックスの場合には税金についても注意が必要です。
ロレックスなどの一般動産について、相続税評価では原則として売買実例価額や精通者意見価格等を参酌する考え方が採られています。
また、相続税には、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
という基礎控除があり、ロレックスだけではなく他の相続財産も含めて判断します。
相続税の申告が必要な場合の期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
さらに相続後に高額な時計を売却する場合は、売却による所得への課税についても確認しておいた方が安心です。
そして何より避けたいのが、
「古い時計だから大した価値はないだろう」
と、価値を知らないまま手放してしまうことです。
20年前、30年前に購入されたロレックスでも、中古市場で評価されているモデルはあります。
故人が大切にしてきた時計だからこそ、
まず正しい現在価値を知る。
そのうえで、形見として残すのか、自分で使うのか、次の世代へ引き継ぐのか、売却するのかを決めることをおすすめします。



















