9月の恒例値上げが見送りに
ロレックスは例年1月と9月に定価改定を行う傾向がありました。
しかし2025年9月、現時点まで正式なアナウンスはなく、今年の値上げは「見送り濃厚」とみられています。
一見すると朗報のようですが、実際には水面下で価格動向を左右する大きな要因が存在します。
それが、米国によるスイス製時計への39%の関税です。
ロレックスはなぜ「世界同時値上げ」を選ぶのか
ロレックスは世界的に価格差を放置しないブランドです。
国ごとに大きな価格差が生じれば並行輸入が加速し、正規販売網が崩れるため、過去の値上げも「世界同時調整」に近い形で行われてきました。
もしアメリカだけが関税で突出して高額になれば、日本や香港などからの逆輸入が増え、バランスが崩れます。
そのため、米国の特殊要因は最終的に世界同時値上げで吸収される可能性が高いのです。
米スイス関税交渉の最新状況
2025年4月、米通商代表部はスイス製品に最大31%の関税を課す方針を発表。
そして8月7日、最終的に39%という異例の関税が正式に発動されました。
スイス政府は反発し、米国との二国間交渉を継続。WTO提訴も視野に入れています。
一部では「10%程度の妥協案」も浮上しましたが、米国はこれを拒否。
現時点では膠着状態にあり、関税が長期化するリスクが高まっています。
このまま交渉が決裂すれば、アメリカだけが突出して高額化し、ロレックスは世界同時値上げで整合性を取らざるを得ない状況に追い込まれます。
39%関税の実質的インパクト
具体的に見てみましょう。
- 米国で15,000ドル(約220万円)のロレックス
- 39%の関税で約5,850ドル(約85万円)追加
- 仮に全額転嫁されれば300万円超へ
業界予測では、メーカーや販売店が一部を吸収しても小売価格で12〜22%の上昇は避けられないとされています。
アメリカは世界最大級のロレックス市場。
この価格上昇は並行輸入や中古市場を通じて、必然的に世界中へ波及していきます。
今後想定される3つのシナリオ
シナリオ①:関税が早期緩和
ロレックスは値上げを見送り、現行価格を維持。
世界的な価格改定の必要性は低下し、一時的な安定期を迎える。
シナリオ②:関税が長期化
アメリカだけが突出し、逆輸入や中古市場が混乱。
ロレックスは世界同時値上げを実施する可能性が高い。
特にゴールドやプラチナなど素材モデルは追加10%規模の値上げも視野に。
シナリオ③:段階的改定
まず米国で値上げ → 数か月後に欧州・アジアも追随。
最終的には世界同時改定と同じ結果になる。
買うべきか?売るべきか?
売却を考えている場合
関税の影響で長期的には相場上昇の可能性がある一方、直近では円高や在庫調整で下落リスクが高いのが現実です。
待ちすぎると上昇前に下落に巻き込まれる恐れがあるため、売却を検討している方は早めの相見積もりで現金化するのが安全策です。
ゴールド・プラチナモデルを持っている場合
素材高騰と値上げが追い風になりやすいカテゴリー。
ただし短期調整もあり得るため、「早めに売却する」か「長期保有して値上げを待つ」かスタンスを明確にすることが重要です。
購入を検討している場合
並行店の仕入れは国際価格に直結するため、今後の値上げで確実に高くなることが予想されます。
欲しいモデルがあるなら、改定前に購入するのが得策です。
まとめ
2025年9月、ロレックスの定価改定は見送り濃厚ですが、これは一時的な安堵にすぎません。
米国による39%の関税が長期化すれば、ロレックスは世界同時値上げで価格バランスを調整する可能性が高く、むしろ年末から2026年初頭にかけて大きな動きが出るリスクがあります。
直近で売却を考えている方は下落リスクを避けるために早めの行動を。
購入を検討している方は、値上げ前の今がチャンス。
そしてゴールドやプラチナを持っている方は、スタンスを明確にしておくことがポイントです。