ロレックスは相続で揉める?複数本所有者が今こそ知っておきたい「税務リスク」と備え方

※本記事はロレックスを複数保有されている方向けに、相続・贈与における注意点をまとめた参考情報です。
実際の課税判断や対応については、必ず税理士などの専門家にご相談ください。



はじめに:ロレックスが“資産”として扱われる時代へ

ロレックスは、もはや単なる「高級時計」ではありません。

中古市場での高い流動性、年々上昇する定価改定、そして堅調な相場推移。
これらの要因から、ロレックスは実物資産として富裕層や投資家から注目を集めています。

しかし、資産であるがゆえに──
相続贈与といった場面では、意外にも多くの問題を引き起こす可能性があります。

特に、複数本を保有している方ほど、そのリスクは高まります。


ロレックスが相続トラブルを招きやすい3つの理由

① 高額なのに軽視されがち

たとえば、デイトナやGMTマスター、デイデイトなどの人気モデルは、1本で数百万円〜1000万円超の相場を形成することもあります。
しかし、現金や不動産に比べると「ただの趣味」と見なされ、相続財産として過小評価されやすいのが実情です。

② 記録が残りにくく申告漏れしやすい

預金口座や証券口座と異なり、時計は“現物”です。
持ち主しかその存在を知らず、家族にすら隠しているケースも珍しくありません。
その結果、相続の際に申告漏れとなり、税務調査で追徴課税を受けるリスクがあります。

③ 価値の算定が曖昧

ロレックスの価値は、以下のような要素で大きく変動します:

  • モデル/リファレンス番号
  • 製造年(ランダム or シリアル)
  • ギャランティーの日付
  • 外装状態・付属品の有無
  • ブレスレットの素材・仕様(ジュビリー or オイスターブレスなど)

こうした違いがあるため、「兄はサブマリーナを、弟はエクスプローラーを相続」という分け方で不公平感が生まれるケースも多く見受けられます。


実際にあったロレックス相続トラブル事例

● ケース1:申告漏れで300万円の追徴課税

相続人が気づかずに放置していた自宅の金庫から、金無垢のロレックスが7本発見。
市場価格にして約1200万円相当。
相続財産に計上されていなかったため、税務署の調査で申告漏れ→過少申告加算税・延滞税の合計約300万円の追徴処分に。

● ケース2:時計の価値をめぐって兄弟で対立

長男が生前に「父から譲ると言われていた」として受け取ったデイトナ2本。
相場は1600万円以上だったが、他の兄弟には現金300万円のみ。
「不公平だ」との主張で遺産分割協議が白紙に戻り、裁判に発展した例も。


ロレックスは相続税の課税対象?評価額はどう決まる?

結論から言えば、ロレックスは相続税の課税対象です。

税務上は「動産」として扱われ、基本的に「相続時点の時価」で評価されます。
ただしこの「時価」の算定が非常に曖昧で、ケースバイケースの判断になります。

● 評価額の算定方法(実務例)

  • 中古時計店の査定書
  • Chrono24などの実勢価格
  • 同型モデルのオークション履歴
  • 複数業者の平均価格 など

このため、自己判断で“購入時価格”を申告すると否認されるリスクがあります。
実勢価格よりも大幅に低い価格で申告した場合、のちに税務署の調査で修正を求められることもあります。


複数本所有者が今からできる「相続対策」

相続トラブルを未然に防ぐには、今のうちにできる備えが重要です。

① 時計リストの作成(資産台帳)

  • モデル名/型番
  • シリアル番号(またはランダム表記)
  • 購入価格/購入年
  • 現在の市場想定価格
  • 保管場所/保証書の有無

この情報をリストにして、家族に伝えておくだけで、相続時の混乱をかなり抑えられます。

② 贈与による“段階的資産移転”

年間110万円の基礎控除内であれば贈与税はかかりません。
例えば、80〜100万円程度のロレックスを毎年1本ずつ家族に贈ることで、非課税での資産移転が可能になります。

ただし、価値のあるモデルや不明瞭な価格の個体については、念のため査定書を取得し、形式的な贈与申告を行っておくと安全です。

③ 信頼できる買取業者との関係構築

  • 定期的な価格査定
  • 査定書の発行依頼(贈与・相続対策用)
  • 売却時の相談窓口の確保

このような「事前準備」があれば、相続後の売却や換金にもスムーズに対応できます。


ロレックスは“美しい資産”、同時に“危うい遺産”にもなる

時計という“形ある資産”は、家族の感情が絡みやすく、価値に対する認識もバラバラです。

  • 「そんなに価値があると思わなかった」
  • 「自分にくれると聞いていた」
  • 「兄だけ高い時計を受け取ったのでは?」

こうした思い違いが、家族間の不信感やトラブルにつながることも少なくありません。


まとめ:ロレックスと“資産承継”は切っても切れない時代へ

今や、ロレックスは「通貨に近い実物資産」として、多くの富裕層に保有されています。

だからこそ──
資産として“増やす”だけでなく、“引き継ぐ”ための備えが必要です。

✔ 時計台帳を整える
✔ 贈与の計画を立てる
✔ 売却時のパートナーを持つ
✔ 家族へ資産の存在と価値を明示する

この4つを意識しておくことで、ロレックスを「争続(争いの相続)」ではなく、「円満な資産承継」へと導くことができます。

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